学校現場では、「問題児」と呼ばれる子どもたちと向き合う場面が少なくありません。
ルールを守らない、衝動的な行動を取る、他の子どもたちや教師に対して挑戦的な態度を見せる…。
その対応に追われる毎日は、正直大変です。
しかし、その一方で、そうした子どもたちの成長を見守ることが、教師にとっての何よりの喜びでもあります。
ある生徒のことを思い出します。
その子はいつも落ち着きがなく、授業中に立ち歩いたり、大声で授業を妨害したりすることが日常茶飯事でした。
他の生徒たちからも避けられることが多く、保護者も「うちの子はもうどうしようもない」と半ば諦めている様子でした。
最初は私自身も、「どう関わればいいのか」と悩み、苦しい日々が続きました。
それでも、その子の行動の背景には何があるのかを探り、少しずつ接し方を変えてみることにしました。
叱るばかりではなく、小さな成功や努力を褒める。
問題行動が起きたときは、なぜその行動を取ったのかをじっくりと話し合う。
焦らずに時間をかけて向き合っていく中で、少しずつ変化が見え始めました。
授業中に挙手をして発言するようになったり、他の子どもたちと一緒に協力して作業に取り組んだり。
これまでできなかったことが、少しずつできるようになる姿を見たとき、心の底から嬉しくなりました。
その子の成長は、まるで目に見える形で表れてきたのです。
そして、その姿を見た周囲の子どもたちや保護者も、次第にその子への見方を変えていきました。
「問題児」とされる子どもたちの成長は、決して一夜にして起こるものではありません。
多くの試行錯誤と忍耐が必要です。時には結果が見えずに心が折れそうになることもあります。
それでも、彼らが自分自身を乗り越え、新しい一歩を踏み出す瞬間に立ち会えるのは、教師として何よりのやりがいです。
こうした経験を通じて思うのは、「問題児」とされる子どもたちにも、必ず成長の可能性があるということ。
そして、それを引き出すためには、教師だけでなく、家庭や周囲の大人たちが一緒になってサポートすることが大切です。
教師としての日々は、決して楽なものではありません。
しかし、問題児と呼ばれる子どもたちの成長を見守り、その一端を担えることができるのは、この仕事ならではの喜びです。
彼らが困難を乗り越え、自信を持って未来に向かっていけるように、これからも一人ひとりと向き合っていきたいと思います。
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